看護師
看護師をやれ。
私は看護師なんかやりたくない。現場は看護なんかやってない。女の派閥争いばっかりで看護なんてしてない。
学校で学んできたことなんて一つも活かせない。馬鹿馬鹿しい。
だから、辞めた。
これでも、元々は国家公務員だった。全て捨てた。
悩んだけど、その肩書きがまた重圧だった。こんないい仕事はないというのがプレッシャーだった。患者なんかどーでもいいから、派閥争いを真面目にやって、ここに残らなければ!というのが性に合わなかった。
看護がしたくて看護師になったけど、現場で真面目に看護をしてる看護師は毎日泣いていた。
でも、その人が正しいと思ったから、その人についていくことにした。毎日、一緒に泣いた。私が一人前になる前にその人は壊れてしまった。
私は2年目で一人になった……。
下っ端1人では勝てなかった。
やれるだけ戦ったつもりだったけど、気づいたら精神病院に入ってた。ワンルームで床に布団とトイレがある。仕切りはない。監視カメラがある。トイレには水は張られてなくて、外からボタンを押して流してもらう。
自殺しないように……。しないよ。するわけない。早くこっから出て戦わなくちゃいけないんだ。
6月終わりに精神病院に入って、出れたのは9月終わりだった。もう秋だった……。